||ω・)マダダレモミテナイ!
こっそりこっそり!店長のもちはだです!
ヤンデレラとツンデレラpart1
ジワジワとカキカキ!
というわけで今日もこっそりと更新!
王宮の謁見室で王様と王妃様、王子様は執務をこなしておられました。
が
王様と王妃様の顔色はあまり芳しくありませんでした。
王様は悩んでいました。
王子は言うまでもなく完璧な息子といえました。
容姿端麗にして慈悲深く、王子としての立ち居振る舞いや意識も高い上に民衆からの指示も篤い。
しかし。
ただ一点において王様の言う事を断固として突っぱねていたのでした。
それは政略的な結婚でした。
戦乱の世においては実に正しい選択肢であったその慣習。
しかし長き治世の今で、相互の友好関係は磐石であると言えました。
もはや王家同士のみでの婚姻というのも限界なのかもしれません。
王としては王子にふさわしい女性であれば何も言う必要はないのです。
しかし本当にそんな女性がいるのだろうか?
王は今日も部下には見せれぬため息をそっと漏らすのでした。
王妃はそんな王を横で見ながら何か妙案はないか考えていました。
妖精王と呼ばれた自らの夫は王としてよりも親として悩んでいたのですから。
自らも親として息子の行く末を共にする相手を見定めておきたい。
その気落ちは過分にありました。
王子は一体恋をした事があるのでしょうか。
自分と王との馴れ初めをそっと手繰りなおしてみます。
王は決して賢王とはいえぬ苛烈な性分も持ち合わせていました。
しかし民には絶対的に優しく、罪人には厳しい信賞必罰を旨とする王でした。
そんな王の堂々たる生き方に惚れた私はいつしか噂を集める用になりました。
王家に類する子女としてははしたない行為と知りながら一方的に思慕を募らせたものです。
プロポーズも、
「ん」
と一言だけでしたけれど目はまっすぐこちらを見つめていました。
そんな風に王子にも胸に秘めた女性がいるのでしょうか…
まったく持って王子の気持ちは分かりかねますが、親として何かしたい。
その気持ちは王も私も変わらないのですが…
そう思うと自然に王妃の口からもため息が漏れるのでした。
王子はそんな二人の気持ちを汲んでいました。
しかし王子は恋という感情をよく理解できませんでした。
今日ツンデレラに対して感じたすばらしい女性だと思ったあの感情でしょうか?
またヤンデレラに対して感じた、身を捨てて民に尽くす姿に感じた気持ちの事でしょうか?
王子は女性に対して尊敬の念や感謝の念は抱いた事がありました。
ですが恋となるとてんで想像がつきません。
それはどんな気持ちでしょうか?
ですから誠意をもって紳士的に応対するために見合いは断り続けました。
知らない不安と変わる不安。
王子の中でもそれは悩みの種としてしっかり根を貼っていました。
大臣はこの3人の気持ちをよく組む実によい大臣でした。
知らないことを知るのが怖い王子。
その王子が優秀ゆえにどうするべきか悩む王様と王妃様。
この3人。
きっと普通の家庭だったらこんなに苦労はしなかったのでしょう。
ですがそれぞれの肩書きが簡単な解決を許さないのでしょう。
でしたら私が出来る事は一つでしょう…!
拝謁者の列が終わると大臣は王様の前に立ちました。
「王様、私めの見るところでは王子様にもお相手が必要かと存じ上げます」
王様はそれを聞くと苦悩に満ちた表情でいいました。
「そうであるな…しかし王子はどうか?」
王子も答えます。
「私にはまだ早いように思えて仕方がないのですが…」
これを聞いた王様と王妃様の顔色は益々曇ります。
それを見た大臣は莞爾と笑顔で言いました。
「しかし国の者たちが王子の婚約を求めているのも事実!
このままでは国の者の顔色も王様や王妃様と同じく晴れますまい!」
これには王子が言葉に詰まってしまいました。
「王子が近隣の国家との縁談を望んでいないのは私も存じ上げております
そこで国中から王子を愛する女性を募り、その中で王子が愛せる女性を娶ればいかがでしょう
そうすれば国民も王様や王妃様も引いては王子様もご納得いただけるかと思いますが?」
「大臣!良くぞこの妙案を思いついた!」
そういうと王様はすっくと立ち上がりました。
「至急国中へ伝えよ!年頃の娘で王子とともにありたい者は王宮に参れと!
札を掲げよ!これは急務である!」
王妃様は王子のほうを向くと言いました。
「王子、国のみなの気持ちを是非汲んでください
貴方には貴方の悩みもきっとあるのでしょう。
母はそこまで覗く事は出来ませんがそれでもこれは言います。
これはあなたの中に芽生えそうな気持ちを見つめるいい機会です
人と人との出会いの中で生まれる大切な気持ちが貴方にも芽生えるよう祈念していますよ」
王子様はみんなの視線を受けこういいました。
「皆さんありがとう…
期待に添えるかどうかはわかりませんが私は誠意をもって参加したいと思います
…正直不安です
ですがきっと何か得る事が必ずあると、必ず見つけると誓います!」
こうして王子様のお相手探しが始まったのでした。
(続く)
ヤンデレラとツンデレラpart1
ジワジワとカキカキ!
というわけで今日もこっそりと更新!
王宮の謁見室で王様と王妃様、王子様は執務をこなしておられました。
が
王様と王妃様の顔色はあまり芳しくありませんでした。
王様は悩んでいました。
王子は言うまでもなく完璧な息子といえました。
容姿端麗にして慈悲深く、王子としての立ち居振る舞いや意識も高い上に民衆からの指示も篤い。
しかし。
ただ一点において王様の言う事を断固として突っぱねていたのでした。
それは政略的な結婚でした。
戦乱の世においては実に正しい選択肢であったその慣習。
しかし長き治世の今で、相互の友好関係は磐石であると言えました。
もはや王家同士のみでの婚姻というのも限界なのかもしれません。
王としては王子にふさわしい女性であれば何も言う必要はないのです。
しかし本当にそんな女性がいるのだろうか?
王は今日も部下には見せれぬため息をそっと漏らすのでした。
王妃はそんな王を横で見ながら何か妙案はないか考えていました。
妖精王と呼ばれた自らの夫は王としてよりも親として悩んでいたのですから。
自らも親として息子の行く末を共にする相手を見定めておきたい。
その気落ちは過分にありました。
王子は一体恋をした事があるのでしょうか。
自分と王との馴れ初めをそっと手繰りなおしてみます。
王は決して賢王とはいえぬ苛烈な性分も持ち合わせていました。
しかし民には絶対的に優しく、罪人には厳しい信賞必罰を旨とする王でした。
そんな王の堂々たる生き方に惚れた私はいつしか噂を集める用になりました。
王家に類する子女としてははしたない行為と知りながら一方的に思慕を募らせたものです。
プロポーズも、
「ん」
と一言だけでしたけれど目はまっすぐこちらを見つめていました。
そんな風に王子にも胸に秘めた女性がいるのでしょうか…
まったく持って王子の気持ちは分かりかねますが、親として何かしたい。
その気持ちは王も私も変わらないのですが…
そう思うと自然に王妃の口からもため息が漏れるのでした。
王子はそんな二人の気持ちを汲んでいました。
しかし王子は恋という感情をよく理解できませんでした。
今日ツンデレラに対して感じたすばらしい女性だと思ったあの感情でしょうか?
またヤンデレラに対して感じた、身を捨てて民に尽くす姿に感じた気持ちの事でしょうか?
王子は女性に対して尊敬の念や感謝の念は抱いた事がありました。
ですが恋となるとてんで想像がつきません。
それはどんな気持ちでしょうか?
ですから誠意をもって紳士的に応対するために見合いは断り続けました。
知らない不安と変わる不安。
王子の中でもそれは悩みの種としてしっかり根を貼っていました。
大臣はこの3人の気持ちをよく組む実によい大臣でした。
知らないことを知るのが怖い王子。
その王子が優秀ゆえにどうするべきか悩む王様と王妃様。
この3人。
きっと普通の家庭だったらこんなに苦労はしなかったのでしょう。
ですがそれぞれの肩書きが簡単な解決を許さないのでしょう。
でしたら私が出来る事は一つでしょう…!
拝謁者の列が終わると大臣は王様の前に立ちました。
「王様、私めの見るところでは王子様にもお相手が必要かと存じ上げます」
王様はそれを聞くと苦悩に満ちた表情でいいました。
「そうであるな…しかし王子はどうか?」
王子も答えます。
「私にはまだ早いように思えて仕方がないのですが…」
これを聞いた王様と王妃様の顔色は益々曇ります。
それを見た大臣は莞爾と笑顔で言いました。
「しかし国の者たちが王子の婚約を求めているのも事実!
このままでは国の者の顔色も王様や王妃様と同じく晴れますまい!」
これには王子が言葉に詰まってしまいました。
「王子が近隣の国家との縁談を望んでいないのは私も存じ上げております
そこで国中から王子を愛する女性を募り、その中で王子が愛せる女性を娶ればいかがでしょう
そうすれば国民も王様や王妃様も引いては王子様もご納得いただけるかと思いますが?」
「大臣!良くぞこの妙案を思いついた!」
そういうと王様はすっくと立ち上がりました。
「至急国中へ伝えよ!年頃の娘で王子とともにありたい者は王宮に参れと!
札を掲げよ!これは急務である!」
王妃様は王子のほうを向くと言いました。
「王子、国のみなの気持ちを是非汲んでください
貴方には貴方の悩みもきっとあるのでしょう。
母はそこまで覗く事は出来ませんがそれでもこれは言います。
これはあなたの中に芽生えそうな気持ちを見つめるいい機会です
人と人との出会いの中で生まれる大切な気持ちが貴方にも芽生えるよう祈念していますよ」
王子様はみんなの視線を受けこういいました。
「皆さんありがとう…
期待に添えるかどうかはわかりませんが私は誠意をもって参加したいと思います
…正直不安です
ですがきっと何か得る事が必ずあると、必ず見つけると誓います!」
こうして王子様のお相手探しが始まったのでした。
(続く)
by motipanda | 2012-02-23 19:21 | MOE: